近年目覚ましい進化を続け市場を拡大しているドローン。
空撮をしたり、レースで飛行させたり、専門的な業務で活用したり……と活躍している分野は多岐にわたります。
また、お子さんでも気軽に楽しめるおもちゃのドローンも市場に多く出回っています。
これらドローンは大きくわけて「産業用ドローン」と「一般向けドローン」にわかれ、それぞれ機種の種類が豊富で価格もピンキリです。
そこで本記事ではドローンが活躍している分野を簡単にご紹介していきます!
目次
ドローンが活躍する分野〈産業用ドローン〉
産業用ドローンはそれぞれの分野でこれまで人の手で行っていた業務や作業を代行する役割を果たしています。
価格は十万程度の機体から出回っていますが、より高性能な機体になると100万〜300万程度の費用が必要になってきます。
農業
近年急速に広まっているのが農薬散布ドローンです。農薬を搭載したドローンを飛ばし、上空から農薬を撒くことができます。
ドローンを導入することで作業の時間短縮につながり、高齢者が多い農業の現場において体力的負担も軽減します。
また、ドローンで作物の育成状況を確認したり病害虫の発生推定など圃場センシングの場面でもドローンを活用する事例が増えてきています。
林業
森林整備事業や調査など、林業の現場でもドローンは活用されています。
各申請・検査において必要な現地確認を、ドローンを用いたGISデータや画像を使用することで簡略化できるようになりました。
注意したいのが、森林や山間部でのドローン飛行はGNSSの受信状況が悪くなりやすく機体が不安定になるため、より高い操縦技術が求められます。
全国各地で林業事業体向けのドローン研修が実施されているので、積極的に受講して操縦技術を高めることをおすすめします。
測量
測量の現場においてドローンは多く導入されており、「UAV測量」とも呼ばれています。
UAV測量最大のメリットは、これまでの測量方法に比べて時間と費用を大幅に削減できるところです。
広範囲を短時間で撮影でき、人が入れないような場所も撮影可能なこともドローン測量の利点です。
インフラ点検
ドローンを利用したインフラ点検も注目されている分野の一つで、橋梁やトンネル、太陽光パネルなど様々な設備の点検で活用されています。
2019年に橋梁定期点検要領が改正され、「近接目視点検」の項目が「近接目視と同等の情報が得られると判断した方法」で点検してもよいと定められました。
ドローンを活用した点検は従来の点検方法に比べ費用・工数共に大幅に削減でき、人が直接見る必要がなく安全に点検の実施が可能です。
また、赤外線カメラを搭載したドローンで温度差を検知し、内部の剥離等を確認することも可能です。
インフラ点検にドローンを導入することは大幅なコスト削減につながり、撮影の精度も高いことから今後さらに普及していくと考えられています。
物流
物流向けドローンも今後、市場が大きく拡大すると予想されています。
貨物の輸送やデリバリーなどで活用され、輸送時間の短縮や配達人員の削減など多くのメリットがあると言われています。
2022年6月には無人航空機のレベル4実現に向けた新制度もはじまるため、今後物流においてドローンはめざましく活躍していくと予想されます。
- レベル1……目視内での操縦飛行
- レベル2……目視内飛行(自動/自律飛行)
- レベル3……無人地帯における目視外飛行
- レベル4……有人地帯における目視外飛行→第三者上空を飛行しての荷物輸送等
この新制度、注意したいのが物流以外でドローンを活用する場合も非常に関係のある制度である、という点です。
▼ドローンユーザーの方はこちらを確認しておきましょう!
映像制作(空撮)
近年、様々な映像制作の現場でドローンによる空撮が取り入れられています。
プロの空撮には操縦者の高度なテクニックも必要となるため、高スペックなドローンだけでなく優秀なパイロットも必要不可欠です。
近年は一般向けドローンがかなり高スペックな機能を搭載しており、コストを抑えつつも本格的な空撮が可能になってきています。
ドローンが活躍する分野〈一般向けドローン〉
一般のコンシューマー向けドローンも市場を拡大しています。
また、一部の一般向けドローンはプロでも通用する高性能な機能を搭載しているので、業務用として活用している方も多くいらっしゃいます。
空撮
ドローンの登場によって、空撮は一般的なものになりました。
空撮に特化したドローンは初心者から上級者向けまで幅広いラインナップがあり、自身のレベルに合った性能の機体を選ぶことができます。
その中でも世界トップシェアを誇るドローンメーカー「DJI」のドローンは安全性やカメラ性能が高く、プロの空撮現場でも通用する機体も多くあります。
初心者でも簡単にプロ並みの映像を撮影でき、プロはコストをおさえて本格的な空撮を行うことができるのがDJIドローンの強みです。
FPVドローン
ドローンからスマホやゴーグル内ディスプレイに伝送された映像を見ながら操縦をするのがFPVドローンです。
1人称視点での操縦は臨場感があり、まるで自分が鳥になったかのような感覚を楽しむことができます。
ただしFPVドローンは他のドローンとは違う点があります。
それは、FPVドローンの大半は無線免許がなければ飛ばせない、という点です。
趣味の飛行も業務の飛行もそれぞれ該当する無線免許を取得し、無線局開局の手続きを行ってからでないと飛行できません。
特にドローンレースの参加を検討している方は無線免許も必要であることを覚えておきましょう!
トイドローン
ドローン操縦や空撮を気軽に楽しめる小型ドローンのことをトイドローンと呼びます。
要はおもちゃのドローンです!
トイザらスなどの販売店でも気軽に購入することができ、値段は1000円程度〜何万円とピンキリです。
2021年現在、航空法において200g以下のドローンは航空法の飛行ルール対象外となっており、気兼ねなく飛ばせるのも魅力的なポイントです。
また、
- 航空法における緊急用務空域
- 航空法以外の法令
これらにおいては重量規制がなく、たとえ1gのドローンだったとしても無人航空機とみなされますので注意が必要です。
イベント
ここ数年、イベント上空などで無数のドローンが綺麗に光りながら飛行しているのを見たことがある人は多いと思います。
これはLEDを搭載したドローンを夜空に飛ばし、隊列を組ませて飛行させることで動くイルミネーションを作り出しています。
その様は花火を見ているようで、今後イベント上空を彩るイルミネーションとしてドローンが活躍するのが当たり前になっていくかもしれません。
まとめ
ドローンは今後、さらに市場の拡大が予想されています。
それによって法整備も進み、ドローン飛行を取り巻く環境が目まぐるしく変化していくことが予想されます。
しかしどの分野で活用されていてもドローンの基本は同じです。
変わっていくドローンのルールに敏感になり、操縦技術向上を常に心がけていきたいですね!
ではまた!