世界シェアNo.1のドローンメーカー『DJI』のドローンには、安全性を高める機能がたくさん備わっています。
その中の一つにRTH(リターン・トゥ・ホーム)という機能があります。
このRTH、安全性を高めてくれる素晴らしい機能なんですが、使い方を間違うとドローンを墜落させかねない機能でもあります。
そこで本記事では、
- RTHはどういったものか
- どんな使い方をするのか
- 設定方法について
を詳しく解説していきます!
目次
RTH(リターン・トゥ・ホーム)とは
RTH(リターン・トゥ・ホーム)とは簡単に言うと離陸地点に自動で戻ってくる機能です。
先述したとおりDJIのドローンに搭載されており、GPSによって離陸地点をホームポイントとして登録し、手動で作動もしくは緊急時に自動で帰還します。
自動で戻ってくるのは離陸地点(ホームポイント)です。操縦者のいる場所ではありません!
離陸後に操縦者が位置を移動した場合、戻ってくるのは操縦者のところではなく離陸した場所になります。
RTH(リターン・トゥ・ホーム)は3パターンある
RTHは手動で実行するものと自動的に作動するもの、あわせて3通りの方法があります。
この特徴を知っておかないと、フライト中にいきなり作動した場合にパニックに陥る可能性があるので、しっかりおさえておきましょう!
①スマートRTH
操縦者が手動で作動させることでドローンがホームポイントまで戻ってくるのがスマートRTHです。
飛行中にドローンを見失ってしまったときなどに使います。
ただし、ホームポイントから一定距離以内(ホームポイントから距離がそんなに離れていない)を飛んでいる場合はRTHは作動せず、”その場で着陸”となります。
”その場で着陸”となる一定距離は機種によって異なります。
また、”RTH”か”その場で着陸”かを選択するパターンもあります。
②フェールセーフRTH
送信機との信号ロストが数秒間続くと自動的に作動するのがフェールセーフRTHです。
フェールセーフRTH起動後60秒以内に通信が回復すると、機体は10秒間ホバリング状態になり、操縦者からの指令を待ちます。
信号ロストからRTH開始までの時間はドローン機種によって異なります。
③ローバッテリーRTH
バッテリーの残量が少なくなると自動的に作動するのがローバッテリーRTHです。
設定されたバッテリー残量になるとまず警告が画面に表示され、数秒間操作がない場合は自動的にホームポイントへ帰還します。
飛行前は必ずローバッテリー残量の設定を確認して、必要に応じて変更しましょう。
機体の距離や高度がバッテリー残量に対して帰還ラインを超える等、自動帰還ができないと判断した場合はその場で着陸を始めるので要注意です。
水上や回収不可能な場所での飛行中にこうなると確実に墜落します。
例)海上で使用中にローバッテリーRTHが作動したが、風が強くてバッテリーを余計に消費してしまい、途中で”その場で着陸”となり海に着陸した(落ちた)。
RTH(リターン・トゥ・ホーム)の高度設定
こんなやりとりを何回も経験してきました。
どういうことかと言うと、
RTHが作動すると、あらかじめ設定していたRTH高度まで一旦上昇してから戻ってくる
これがRTHの仕組みだからです!
設定高度以上の高度でRTHが作動した場合は、その高度を維持したままホームポイントへと向かいます。
一旦安全な高度まで上昇してからホームポイントに戻ってくるという賢さをもちあわせているのがRTHなのです。すごい!
しかし、私たち人間も少し頭を使わなければなりません。なぜなら、RTH時の上昇高度設定は私たち人間が行わなくてはならないからです。
その際、RTH高度を周囲にある障害物の高さ以上の高度に設定しないと、RTH作動中に障害物に衝突してしまう可能性があります。
なので、RTHの高度設定は飛行前に必ず設定を確認する必要があります。
ファームウェアのアップデートで設定がリセットされてしまうこともあるので要注意!
私は基本30mに設定して、周囲に30m以上の高さの障害物がある場合は飛行前確認の際にそれらを回避できる高度に設定し直しています。
RTH(リターン・トゥ・ホーム)は機種や状況によって作動時の帰還方法が異なる
スマートRTH解説のあたりで少し先述しましたが、RTHは機種や作動時の状況によって”RTH”が作動するのか”その場で着陸”となるのか、帰還方法が異なります。
RTH作動に関して、DJI主要ドローンに共通しているのはこちら。
- GPSが十分に補足できていない場合やコンパスエラーの場合はRTHが正常に作動できない
- ビジョンシステムやその他検知システムが有効の場合、RTH時に障害物検知も作動する(一定距離以内で)
あとは機種や飛行時の状況によって作動条件が異なり、RTH/その場で着陸/その場でホバリングのいずれかを選択するか、1つしか選択肢がないか、となります。
例えばMavicMiniの場合、ホームポイントから20m範囲内を飛んでいる時はRTHは作動せず、自動着陸ボタンのみが画面に表示されます。(=その場で着陸)
RTHの設定をしっかり行なって安全飛行に繋げる
安全飛行のための機能であるRTHですが、作動パターンや帰還方法を把握していないと重大な事故に繋がってしまう可能性があります。
ではまた!